延滞税は損金参入できる?

簿記を勉強された方なら、聞いた事があると思いますが、簿記の勘定科目に「租税公課」というものがあります。
簡単に租税公課を説明すると、国税や地方税などの「租税」と、租税以外の賦課金や罰金などの「公課」を含めた税金等の支払いを計上する勘定科目のこと。一般に租税公課は、損益計算書において、販売費及び一般管理費の部に計上し、費用として経理処理されますが、法人税法上では損金に算入されないものもあるので注意が必要です。

つまり、租税公課の中には費用として損金に参入できるものと、損金参入できないものがあるということですが、「延滞税」はどうなのでしょうか。

まず結論を申しますと、損金参入できる延滞税と損金参入できない延滞税があります。
しかし、同じ延滞税でどうしてこのようなことになるのでしょうか。詳しく延滞税についてみていきましょう。

まず、損金参入できる延滞税ですが、申告期限の延長に伴う利子税及び延滞税は損金参入可能です。「申告期限の延長」とは、会計監査人の監査を受けなければならない等の理由により決算が確定しないため又は連結子法人が多数に上ること等により、今後、申告期限までに確定申告書又は連結確定申告書を提出できない場合に特例の申請をして認められた場合の期間です。

上記以外の罰則的な性格を有する延滞税、延滞金、各種加算税及び加算金、罰金、科料、過料、過怠税については損金参入することは出来ません。同じ延滞税であっても、ただ納税が遅れたという場合は費用にすることは出来ないのです。

「延滞税」を理解するために

延滞税を理解するために、身近な例を使ってご紹介しましょう。

レンタルビデオ店でビデオを借りるのは、皆さんご存知だし経験もあると思います。
旧作のビデオなら、7泊8日のレンタル期間、新作であれば、1泊2日や2泊3日のレンタル期間でビデオを借りるのが一般的ですが、返却期間を過ぎて返した場合、「延滞金」がかかるのはご存知でしょうか。

「昨日までに返さなきゃいけなかったんだけど、昨日は忙しくてレンタルビデオ店に行けなかったんだよね~」
「ビデオ返そうと思ってだけど、つい忘れちゃったんだぁ~」

こんなこと、一度は経験あると思います。
そうすると、ビデオ返却の際に支払いを要求されるのが「延滞金」です。なぜ、延滞金がかかってしまうのでしょうか。

「借りたものは返したんだから、余計にお金を払わなきゃいけないのはおかしい」
「一日ぐらいいいじゃないか」

こんな風に思われる方もいるかもしれませんが、延滞金の根拠はしっかりとあるのです。

「機会損失」

この言葉をお聞きになった人はいらっしゃるでしょうか。
レンタルビデオで説明すると、『返却期間どおりにビデオが返ってきて、店頭に置いてあれば、誰かが借りていったかもしれないのに、お店に置けなかったからお客を逃したかもしれない』というのが機会損失の基本的な考え方です。

つまり、お客を逃したかもしれない「可能性」に対する補償金が、「延滞金」なのです。

「延滞金」にはその他に、返却期間内に返さなかった「契約違反」に対する罰則的な意味合いと2つの意味があるのです。

税金滞納の罰則

個人が支払う主な税金(直接税)は「所得税」や「市民税」、で、法人の場合は「法人税」や「事業税」、「消費税」など税金の種類はたくさんあります。
消費税やガソリン税、酒税などは間接税なので、支払った代金の中に含まれますから、税金滞納という事態にはなりません。

しかし上記の直接国や自治体に支払う税金の場合、決められた期限内に納付をしないと、本来の税額以外にも支払わなければいけない金額が加算されることになります。本来の税額の他に加算されるものとは、附帯税や加算税等です。

これまでご紹介してきた延滞税もこうした付帯税のひとつです。
延滞税は税金を一部でも期限内に支払わない場合(滞った場合)、延滞税というのが課されます。

この付帯税のひとつである延滞税の利率は、納税期限の翌日から計算され、完済された日までの期間で決定します。例えば期限から2ヶ月以内に完済した場合の年率は4%程度、それ以上延滞した場合には14%程度と延滞すれば延滞するほど利率も大きくなっていくのが延滞税の特徴です。
この延滞税というのは、税金の支払いを延滞すれば延滞するほど延滞税を多く支払わなければならないということになります。

次に付帯税のひとつである利子税ですが、延納または納税申告書の提出期限延長を認められたとき、それが認められた期間の利息相当額を加算する税のことです。

つまり税金を滞納してしまった場合でも、全てのケースに対して延滞税が適用される訳ではなく、ケースバイケースで延滞税とは異なる利子税というのが課せられる場合があるのです。

延滞税関連のニュース

先週末、連日に渡って企業(法人)の申告漏れに関するニュースが複数報道されました。
以下、ニュースの概要をご紹介します。

『独協医科大学(栃木県)などを経営する学校法人独協学園(埼玉県)が、関東信越国税局の税務調査を受け、2008年3月期までの7年間に約11億円の申告漏れを指摘されたことが30日、分かった。すでに修正申告しており、追徴税額は過少申告加算税を含め約2億円となる。』
(2008年5月30日;時事ドットコムより引用・抜粋)

『読売新聞東京本社が、東京国税局の税務調査を受け、2008年3月期までの7年間で約1億円の所得隠しを指摘されていたことが31日、分かった。経理ミスなどを含めた申告漏れ総額は計約2億7000万円に上り、追徴税額(更正処分)は重加算税などを含め約9800万円という。
読売新聞東京本社によると、本社や支局が取材費として経費計上した一部について、社員同士の飲食費が含まれていることが税務調査で判明し、交際費と認定された。』
(2008年5月31日:時事通信配信より引用・抜粋)

いずれも税務調査によって申告漏れを指摘され、延滞税を含む追徴課税を行ったとのことです。
このように、悪意(故意)がなかったとしても税務調査により申告漏れと指摘されるケースが後をたちません。特に新聞社の申告漏れについては、今年の2月にも朝日新聞社が申告漏れを指摘されて修正申告に応じたニュースもありました。
適正な税務処理を行うことが求められます。

延滞税のキソ

「延滞税」は、定められた期限までに税金が納付されない場合に、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課せられます。

身近なものに置き換えると、レンタルビデオ店で借りたビデオを返却期日までに返さなかった場合、遅れた日数に応じて延滞金を支払いますが、考え方はそれに近いものがあります。
もうひとつ例を挙げると、金融機関でお金を借りた場合に返済期日までに借入金を返さなかった場合に、遅れた日数に応じて払う利息のようなものです。

このように「延滞税」とは、いわば遅延損害金に当たるものです。
納税すべき納税者が、法定納期限までに(※ 原則として法定申告期限と同一日)国税の納付ができなかった場合には、その期限の翌日から納付の日までの経過日数に応じて、未納税額に一定の割合で計算した金額を乗じた金額が延滞税となります。

この「延滞税」が課せられるケースは下記の場合になります。
 <延滞税が発生するケース>
下記ような場合には「延滞税」が課せられます。
(1.) 確定申告した納税額を法定納期限までに納めることが出来なかった場合。(もしくはしなかった場合。)
(2.) 確定申告期限後申告書もしくは修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない未納付の税額がある場合。
(3.) 更正の決定の処分を受けた場合で、納付しなければいけない税額がある場合。
上記の場合、法定納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じた延滞税を加えて納付しなければなりません。

エイプリルフール・・・

今日は4月1日です。エイプリルフールということですが、税金の話にはあんまり関係ありませんね。

本題に戻って、昨日は個人事業者の方の消費税の申告期限でした。個人事業者の方はみなさん忘れずに申告なさったでしょうか。
「去年は赤字続きで税金払う筋合いじゃない!」という方の場合でも、「0円」の申告書を提出しないと、無申告ということになってしまうので注意が必要ですよ。経営者の方、経理担当の方はもう一度確認してみてください。

申告期限までに申告しないと、無申告加算税(税額の5%)が課せられます。これがもし、税務調査を受けてからの申告ですと無申告加算税は増えてしまって、税額の15%となり、さらに仮装・隠蔽等悪質だと認定された場合には重加算税(税額の40%)が課せられるケースもあります。

また、納期限までに税額を納めていたとしても、申告書の提出が無ければ無申告加算税の対象となってしまいますので気をつけましょう。

税金は納付期限までに納税しないでいると、納付日までの利息にあたる「延滞税」が課されることになります。税率は納期限の翌日から2ヶ月間は前年11月末の公定歩合+4%の年利、それ以後は年利14.6%となります。特に消費税は事業が「赤字」でも納付が発生する税金ですので、未納のケースが非常に多い税金でもあります。

延滞税は納税が遅れた日数に従って増えていってしまいます。延滞税が発生した場合には、速やかな対応で被害を最小限にしましょう。

確定申告期限

3月になりました。先月の16日から始まった確定申告も今月の15日が申告期限となっていますので、確定申告が必要な個人の方、自営業の方はきちんと期限内申告と期限内納税を心がけましょう。めんどくさいからと後回しにしたり、期限内に申告が出来なかった場合には、延滞税や加算税、利子税などの付帯税が余計にかかってしまうので注意が必要です。

個人事業者の場合、所得税の確定申告期限は3月15日となっていますが、消費税の申告期限は3月末日となっています。申告漏れのないようにきちんと準備をして臨みましょう。

万一、申告期限までに申告しないと、無申告加算税(税額の5%)が余計に課せられます。また税務調査を受けてからの申告の場合、無申告加算税は税額の15%と割増になってしまいます。さらに仮装・隠蔽等悪質な場合と認定された場合には、重加算税(税額の40%)が課せられることもあるので注意が必要です。(※ 納期限までに税額を納めていたとしても、申告書の提出が無いと「無申告加算税」の対象となってしまいます。)

また、納付期限までに納税しない場合、納付日までの利息にあたる「延滞税」が課されます。納期限の翌日から2か月間は、税率は前年11月末の公定歩合+4%となっており、以降は年利14.6%となります。特に、消費税は赤字の場合でも納付が発生する税金のため、「未納」にしてしまう事業者が多いようです。忘れないように気をつけましょう。

延滞税とは(基本)

税金には「申告期限」というものが定められており、その期限内に税金を支払わなければなりません。これを怠ると様々なペナルティ(追加の税金)が加算されることになります。税金のペナルティは、罰則的な性格の税金の「加算税」と、納付が遅れたことによる利子的な性格の税金の「延滞税・利子税」に大別されます。

以前にも紹介した「不納付加算税」は名前はペナルティ(罰則)的な名前をしていますが、延滞税や利子税的な性格の税金です。原則的に本税に対して10%、自主的な納税に対しては5%で、日割りなどはなく、1日遅れただけでも全額かかってくる税金です。

1日でも遅れると加算されてしまうので、厳しい一面もありますが、厳しい反面、「正当な理由がある場合には、0%」と免除される要件も用意されているのできちんと把握しておきましょう。その要件とは、(1.)新たに源泉徴収義務者となった者の初回納付に係るもので、期限後1月以内に自主納付されたもの・・・つまり、源泉徴収を始めたばかりの「初犯」は見逃してあげるというものと、(2.)直前1年分の源泉所得税について納付の遅延をしたことがない者で、期限後1月以内に自主納付されたもの・・・つまり、過去1年真面目に納付していたら、1月以内の納付遅延は、見逃してもらえるというものです。

しかし、(1.)の初回は見逃すという要件は、平成19年1月から廃止されてしまったので、現在では(2.)の過去1年間の実績による免除のみが適用可能な特例となっています。ここで注意が必要なのが、「納付税額0の納付書を期日内に提出していない場合も遅れたことになる」ということです。つまり、納税していない場合にも、納税額0円という書類を出していない場合には納付遅延していることになり、(2.)の要件を満たせなくなってしまうということです。

不納付加算税は延滞税で、損金参入できませんのできちんとした対応が必要です。

2009年年頭の挨拶

明けましておめでとうございます。2009年丑年スタート!
今年も延滞税を詳しく知るべく、日々まい進していく所存です。よろしくお願いいたします。

早速ですが、今回は延滞税の租税公課取り扱いについてみていきましょう。
まずは「租税公課」というワードについて簡単な説明をしていきましょう。「租税公課」とは、法人税や消費税・印紙税・登録免許税といった国税、不動産取得税・自動車税・固定資産税事業税などの地方税、道路占有料などの公的な負担金などの公課をいいます。
その「租税公課」には、税務上費用になるものとならないものがあります。

(税務上費用にならない税金一覧)

① 法人税
② 延滞税
③ 過少申告加算税
④ 無申告加算税
⑤ 不納付加算税
⑥ 重加算税
⑦ 地方税法による道府県民税や市町村民税
⑧ 地方税法による過少申告加算金など
⑨ 罰金、科料および延滞金など
⑩ 法人税額から控除する所得税および外国税
⑪ 印紙税法による過怠税など

(税務上費用になる税金一覧)

① 印紙税
② 利子税
③ 事業税
④ 酒税など
⑤ 固定資産税、都市計画税、不動産取得税、特別土地保有税、事業所税、登録免許税、自動車税、特別地方消費税など

上記のように延滞税は税務上、租税公課には入りません。つまり費用として計上できないため、租税公課にはできないこととなっています。
今年も確定申告の季節が近づいてきました。帳簿の整理をしっかりして申告に備えるようにしましょう。

本年も何卒よろしくお願いいたします。

利子税について

前回、付帯税について簡単な説明をしました。
今回はその中で出てきた「利子税」について、少し詳しく書いていきたいと思います。

本税の延納及び申告期限の延長等が認められたときには、その認められた延納期間中については納付期限が到来していないため通常の延滞税の課税をすることはできません。
しかし延納が認められた場合、他の通常の納付期限により納税している納税者との間で不公平が生じてしまいます。
つまり、きちんと納めている納税者に不利益があるのはまずいということですね。

そのため、その延納期間中の損害の補てんとして「利子税」という附帯税が課税されることになっています。
所得税では第3期分の税額について延納届出書を提出して延納する場合や、譲渡所得または山林所得の基因となる資産の延払条件付譲渡をして延納の許可を受けた場合には、延納の期間に応じて、延納税額について年7.3%の割合で計算した利子税を本税と共に納付することになっています。

利子税については、ペナルティ的な要素はなく、本来納めるべき期日から実際納めた期日の間の期間について課される税金のことです。
身近な例えでは、ビデオレンタル店でビデオを借りて、返却期日を過ぎて返した場合にかかる延滞金を思い浮かべるといいと思います。
店側は、ビデオが返ってくれば、物的な損害は無いように思えますが、延滞中でビデオが店に置いてないと、そのビデオを新たに借りにきたお客さんに貸すことができないという事態になります。
これが「機会損失」と呼ばれる損害で、その損失補てんにあたるのが「延滞金」と呼ばれるものになります。

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