税金の滞納と延滞税

『税金滞納者』に対する自治体の苦悩を描いた報道を目にすることがあります。何年も税金を支払っていないのに高級外車に乗る滞納者、徴収に来た担当者に罵声を浴びせる滞納者、見る度に腹がたちますが、納税に対する意識が低いのは行政のほうにも改善するところが大いにあると思います。

さて、支払うべき税金を納めないでいる(滞納)と、本来の税金以外に”延滞税”を支払わなければならなくなります。しかし、税金の支払義務には時効があることを御存知でしょうか。

税金を滞納すると、滞納している税金は納期限、差し押さえ、または最後に督促状を受け取ってから5年経過すれば時効となり、税務署は滞納税を徴収することが出来なくなります。(※ 督促状などは時効中断事由に該当しますので、定期的に督促状を出し続けることによって、実際には納期限から5年で時効になることはありません)

また、税金が時効になったからといって、納税が免除されたわけではありません。あくまでも税務署が徴収できなくなるというだけなので、自主的に税金を納付することは可能です。最近では、鳩山首相の贈与税の支払いについて時効が発生する見込みとなっています。税務署はすでに徴収する権利を失ってしまっていますので、贈与税と延滞税が過去何年分にまで及ぶかという問題が検討されています。

鳩山首相の件は例外として、税務署が時効まで何もせずに黙ってみていることはなく、時効になる前に滞納者の財産を差し押さえ、差し押えた財産を競売などで現金に換えて滞納税に充当しますので、実際には時効になる前にあらゆる権利、手段が行使されます。

延滞税と利子税

税金は、期限までに申告をしなかったり、納めなかったりすると、本来納めるべき税金(本税)に加えて、ペナルティとしての税金(付帯税)も課されてしまいます。延滞税と利子税はいずれも期限内に納税が出来なかったときに課せられる附帯税ですが、その違いについて簡単にまとめておきましょう。

[延滞税]
税金の一部または全部を納付期限までに納付していない場合、支払いが遅れた金額に対して延滞税が課せられます。利息のような計算となりますので支払いが遅れるほど増加し、納付期限から2ヶ月を超えると利息(割合)も増えることになってしまいます。支払いが遅れた場合には、延滞税を支払うよう通知が届きます。

[利子税]
資金繰りがつかないなど、何らかの事情により納付期限までに税金を納めることができない場合、税金の納付期限までに延納申請書と担保を税務署に提出すると支払いを遅らせることが許可されることがあります。このような場合には延滞税と同様に利息的な税金が追加で課されます。これを利子税といいます。利子税も延滞税同様、支払いが遅れるほど増加します。

延滞税と利子税は納付期限2ヶ月までは同じ割合ですが、2ヶ月を過ぎると延滞税が年率14.6%の割合に増えるのに対して、利子税は据え置きという違いがあります。税金の延納手続きは納付期限内に行わなければなりませんので、納付期限を超えて2ヶ月以上必要な状況の場合には、事前に税務署に相談した方がいいでしょう。

このように、税金は納付期限までに正しい金額で申告、納付をしないと容赦のないペナルティが発生してしまいます。

延滞税の基礎のキ

2月になりました。今年も確定申告の季節が近づいてきましたが、早めに申告しましょう。

さて、確定申告前の今、もう一度延滞税の基礎をおさらいしておきましょう。納税には期限が設けられており、これを守らないと様々なペナルティが課せられます。税金のペナルティは、罰則的な性格の税金の「加算税」と、納付が遅れたことによる利子的な性格の税金の「延滞税・利子税」に分けられます。

「不納付加算税」は名前は罰則的な名前をしていますが、延滞税や利子税的な性格の税金です。原則的に本税に対して10%課税、自主的な納税に対しては5%となっており、日割りなどはなく1日納付が遅れただけでも全額かかってくる税金です。しかし、正当な理由がある場合には免除される要件も用意されているのできちんと把握しておきましょう。

[免除要件]
◆直前1年分の源泉所得税について納付の遅延をしたことがない者で、期限後1月以内に自主納付されたもの……つまり、過去1年間真面目に納付していたら、1月以内の納付遅延は、見逃してもらえるというもの

ここで注意が必要なのが、「納付税額0の納付書を期日内に提出していない場合も遅れたことになる」ということです。つまり、納税していない場合にも、納税額0円という書類を出していない場合には納付遅延していることになり、要件を満たせなくなってしまうということです。不納付加算税は延滞税で、損金参入できませんのできちんとした対応が必要です。

延滞税の計算

延滞税を含む「付帯税」とは、国税のうち本税(所得税や法人税など)以外のものをいい、税金の支払い納期限を過ぎて本税を納付をしたり、税務調査などによって本税を追徴課税された場合などに課される税金のことです。一種の罰則的な意味合いを持ち、税率が高く設定されています。こうした付帯税には大きく分けて、加算税、利子税、延滞税の3種類あります。

前回ご紹介したように延滞税は「国税通則法」の第60~64条によって定められています。

簡単にまとめると、「法定納期限までに納めていない税額に対して課されてしまう遅延損害金に相当する税のこと」で、要するに税金の支払いが遅れた場合に課せられる罰則といえます。納税までに遅れた期間に対して課せられるので、利息のような計算方法によって税額が決められます。また大幅に遅れた場合(2ヶ月以上)には、税率も高くなってしまうので注意が必要です。

延滞税の計算については、未納税額が対象となりますので、法定納期限と支払税額の確定をした後、日数に対して税金を計算します。納期限までの期間及び納期限の翌日から2ヶ月を経過する日までの期間の延滞税の割合は、原則として年7.3%の割合が適用されます。(※ ただし、平成12年1月1日以後の延滞税の割合については、年「7.3%」と「前年の11月30日において日本銀行が定める基準割引率+4%」のいずれか低い割合が適用されます。)納期限の翌日から2ヶ月を経過する日の翌日以後について年14.6%の割合が適用されます。

国税通則法と延滞税の関係

延滞税は「国税通則法」の第60~64条で定められています。
延滞税の基本のキとして、延滞税が課せられる場合を「国税通則法」では以下のケースが定められています。

1.期限内申告書を提出した場合において、当該申告書の提出により納付すべき国税をその法定納期限までに完納しないとき。
2.期限後申告書若しくは修正申告書を提出し、又は更正若しくは第25条(決定)の規定による決定を受けた場合において、第35条第2項(期限後申告等による納付)の規定により納付すべき国税があるとき。
3.納税の告知を受けた場合において、当該告知により納付すべき国税(第5号に規定する国税、不納付加算税、重加算税及び過怠税を除く。)をその法定納期限後に納付するとき。
4.予定納税に係る所得税をその法定納期限までに完納しないとき。
5.源泉徴収による国税をその法定納期限までに完納しないとき。

申告書を提出して、その申告書にかかる納税額が定められた期限までに納付されない時は、原則として法定納期限の翌日から納付が完了する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税がかかります。延滞税がかかる場合とは、申告などで確定した税額を法定納期限までに完納しないとき、期限後申告書又は修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない税額があるとき、更正又は決定の処分を受けた場合で、納付しなければならない税額がある時です。いずれの場合も、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じた延滞税を納付しなれければなりません。なお、延滞税は本税だけを対象としてかかるもので、加算税などは延滞税計算の基礎となりません。

延滞税関連ニュース

延滞税に関するホットなニュースがあったのでご紹介したいと思います。

「朝日町 追徴課税1080万職員7人負担」<富山県>
(2009年10月1日 |読売新聞より引用)

税控除申告ミス

 朝日町が公共工事の用地を買収した際、担当した男性職員(主事)が手続きを怠り、本来免除されるはずの譲渡取得税が地権者33人に追徴課税されることになった問題で、延滞税と過少申告加算税も加えた課税総額が約1080万円に上り、事業を担当した町産業部の職員7人が責任をとって全額負担することが30日、わかった。また、町は同日、男性職員を懲戒免職とするなど厳しい処分を発表した。
~~~~~~~~~~(中略)~~~~~~~~~~~
 町によると、地権者にかかる譲渡取得税は約700万円。過少申告加算税や延滞税は合計約100万円で、ほかに所得が増えたことで住民税や介護保険料などの追加が約280万円になると概算している。
~~~~~~~~~(以下省略)~~~~~~~~~~

今回のニュースは、地方自治体が公共事業のために土地を買収した際に、地権者には税制優遇が受けられるはずのものを、職員の職務怠慢によって受けられなかったというケースです。住民の税金を自治体職員が肩代わりするのは例がないこと、加えて職員が懲戒免職になっていることも珍しい事件だと思います。しかし、延滞税や追徴課税などの記録は地権者の記録になってしまうのではないかという懸念がありますが、そこのところはどうなんだろうかと気になる報道でもあります。

「延滞税」を理解するために

延滞税を理解するために、身近な例を使ってご紹介しましょう。

レンタルビデオ店でビデオを借りるのは、皆さんご存知だし経験もあると思います。
旧作のビデオなら、7泊8日のレンタル期間、新作であれば、1泊2日や2泊3日のレンタル期間でビデオを借りるのが一般的ですが、返却期間を過ぎて返した場合、「延滞金」がかかるのはご存知でしょうか。

「昨日までに返さなきゃいけなかったんだけど、昨日は忙しくてレンタルビデオ店に行けなかったんだよね~」
「ビデオ返そうと思ってだけど、つい忘れちゃったんだぁ~」

こんなこと、一度は経験あると思います。
そうすると、ビデオ返却の際に支払いを要求されるのが「延滞金」です。なぜ、延滞金がかかってしまうのでしょうか。

「借りたものは返したんだから、余計にお金を払わなきゃいけないのはおかしい」
「一日ぐらいいいじゃないか」

こんな風に思われる方もいるかもしれませんが、延滞金の根拠はしっかりとあるのです。

「機会損失」

この言葉をお聞きになった人はいらっしゃるでしょうか。
レンタルビデオで説明すると、『返却期間どおりにビデオが返ってきて、店頭に置いてあれば、誰かが借りていったかもしれないのに、お店に置けなかったからお客を逃したかもしれない』というのが機会損失の基本的な考え方です。

つまり、お客を逃したかもしれない「可能性」に対する補償金が、「延滞金」なのです。

「延滞金」にはその他に、返却期間内に返さなかった「契約違反」に対する罰則的な意味合いと2つの意味があるのです。

税金滞納の罰則

個人が支払う主な税金(直接税)は「所得税」や「市民税」、で、法人の場合は「法人税」や「事業税」、「消費税」など税金の種類はたくさんあります。
消費税やガソリン税、酒税などは間接税なので、支払った代金の中に含まれますから、税金滞納という事態にはなりません。

しかし上記の直接国や自治体に支払う税金の場合、決められた期限内に納付をしないと、本来の税額以外にも支払わなければいけない金額が加算されることになります。本来の税額の他に加算されるものとは、附帯税や加算税等です。

これまでご紹介してきた延滞税もこうした付帯税のひとつです。
延滞税は税金を一部でも期限内に支払わない場合(滞った場合)、延滞税というのが課されます。

この付帯税のひとつである延滞税の利率は、納税期限の翌日から計算され、完済された日までの期間で決定します。例えば期限から2ヶ月以内に完済した場合の年率は4%程度、それ以上延滞した場合には14%程度と延滞すれば延滞するほど利率も大きくなっていくのが延滞税の特徴です。
この延滞税というのは、税金の支払いを延滞すれば延滞するほど延滞税を多く支払わなければならないということになります。

次に付帯税のひとつである利子税ですが、延納または納税申告書の提出期限延長を認められたとき、それが認められた期間の利息相当額を加算する税のことです。

つまり税金を滞納してしまった場合でも、全てのケースに対して延滞税が適用される訳ではなく、ケースバイケースで延滞税とは異なる利子税というのが課せられる場合があるのです。

延滞税のキソ

「延滞税」は、定められた期限までに税金が納付されない場合に、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課せられます。

身近なものに置き換えると、レンタルビデオ店で借りたビデオを返却期日までに返さなかった場合、遅れた日数に応じて延滞金を支払いますが、考え方はそれに近いものがあります。
もうひとつ例を挙げると、金融機関でお金を借りた場合に返済期日までに借入金を返さなかった場合に、遅れた日数に応じて払う利息のようなものです。

このように「延滞税」とは、いわば遅延損害金に当たるものです。
納税すべき納税者が、法定納期限までに(※ 原則として法定申告期限と同一日)国税の納付ができなかった場合には、その期限の翌日から納付の日までの経過日数に応じて、未納税額に一定の割合で計算した金額を乗じた金額が延滞税となります。

この「延滞税」が課せられるケースは下記の場合になります。
 <延滞税が発生するケース>
下記ような場合には「延滞税」が課せられます。
(1.) 確定申告した納税額を法定納期限までに納めることが出来なかった場合。(もしくはしなかった場合。)
(2.) 確定申告期限後申告書もしくは修正申告書を提出した場合で、納付しなければならない未納付の税額がある場合。
(3.) 更正の決定の処分を受けた場合で、納付しなければいけない税額がある場合。
上記の場合、法定納期限の翌日から実際に納付する日までの日数に応じた延滞税を加えて納付しなければなりません。

エイプリルフール・・・

今日は4月1日です。エイプリルフールということですが、税金の話にはあんまり関係ありませんね。

本題に戻って、昨日は個人事業者の方の消費税の申告期限でした。個人事業者の方はみなさん忘れずに申告なさったでしょうか。
「去年は赤字続きで税金払う筋合いじゃない!」という方の場合でも、「0円」の申告書を提出しないと、無申告ということになってしまうので注意が必要ですよ。経営者の方、経理担当の方はもう一度確認してみてください。

申告期限までに申告しないと、無申告加算税(税額の5%)が課せられます。これがもし、税務調査を受けてからの申告ですと無申告加算税は増えてしまって、税額の15%となり、さらに仮装・隠蔽等悪質だと認定された場合には重加算税(税額の40%)が課せられるケースもあります。

また、納期限までに税額を納めていたとしても、申告書の提出が無ければ無申告加算税の対象となってしまいますので気をつけましょう。

税金は納付期限までに納税しないでいると、納付日までの利息にあたる「延滞税」が課されることになります。税率は納期限の翌日から2ヶ月間は前年11月末の公定歩合+4%の年利、それ以後は年利14.6%となります。特に消費税は事業が「赤字」でも納付が発生する税金ですので、未納のケースが非常に多い税金でもあります。

延滞税は納税が遅れた日数に従って増えていってしまいます。延滞税が発生した場合には、速やかな対応で被害を最小限にしましょう。

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